理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

計画と実行~どっちが大切?どっちを優先?~

こんばんは。本日から4連勤になります。仕事が立て込んできているので、仕事に力を注いでいこうと思います。

本日は、試験勉強の記事ではないものを久しぶりに上げたいと思います。

 

昨年の手帳です。(乗せるものがなかったので)

 

計画と実行の優先度について

最近勉強時間の確保に力を入れており、速めに帰宅してすぐに勉強を開始することを実践しているわけです。しかし、勉強の切れが悪く、次の日の仕事の予定や勉強の計画を練る時間が取れないことが何日か続いてしまいました。

その結果、仕事では予定の管理面でややミスが生じたのと、仕事の効率の低下を招いてしまいました。

計画と実行では、当然実行に時間を注ぐ方がいいのですが、その効率性については計画を立てることにより圧倒的に良くなります。なので、計画と実行ではおろそかにしてはいけないのは計画になるのではないかと思います。

計画については、大まかに計画と立てることと、詳細に計画をたてることの二段構えが望ましいと思います。詳細な計画のみでは、次のタスクとのつながりがないため、全体的な流れにつながりにくいのではないかと思います。逆に大まかな計画のみでは具体的にどう行動するかについて考えてしまい、効率的にタスクをことができなくなってしまいます。

私の場合は、GTDアプリケーションであるNOZBEや手帳のメモを活用し、手帳には週ごとにおおまかに枠を作り、大項目として何をする時間かを確保します。(例えば勉強であれば赤で枠を確保する)その後、その枠の中に具体的に何をするかを書き込みます。計画と立てる際はそれにあまり時間をかけないようにするため、あまりきれいに書きすぎたり、こだわらないようにした方がよいようです。(私の場合)

とにかく、効率よく最速でタスクを消化し仕事、勉強、プライベートが充実できるようなGTDシステムの中で、管理をしていきたいと思います。

 

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肩関節周囲炎の病期別理学療法の対応と視点について

↑高崎オーパにてみそだれとんかつ卯辰というところで贅沢にいただきました。

 

こんばんは。本日は休みで、高崎オーパでの勉強したりしつつゆっくりしておりました。変形性膝関節症と脳卒中と切断の診療ガイドラインの勉強をしておりました。切断患者さんを担当することもあり、ある程度基本を復習しておかないと、何すればいいかよくわからなくなってしまいそうだったので。

勉強のおかげで明日からの臨床に目標をもって挑めそうです。より深く評価・治療を行え、グループメンバーの患者さんまでしっかり診れるように目指して頑張りましょう。

 さて、本日は肩関節周囲炎の病期別の理学療法の進め方についてです。

 

3つの病期ごとに整理して記載します。

①凍結進行期(painful freezing phase):2.5~9か月

明確な誘因のない疼痛と関節可動域制限が出現します。安静時痛を認めたり、夜間時痛が増強しやすい時期になります。疼痛が強い時期になりますので、理学療法の対応としては、愛護的な関節可動域練習、ポジショニング、代償方法の検討(疼痛が生じない動作)が必要になります。

関節可動域制限では防御性収縮を極力抑え、抵抗が強い場合は自動介助や自動運動にて実施することが望ましいです。肩甲骨面での運動で30度から45度範囲で開始するとよいと考えます。

代償動作では、健側を中心に行うことや手順をかえるなどの検討が必要です。隣接関節の可動域増大を図ることも重要です。

②凍結完成期(frozen phase):4~12か月

疼痛進行期と比べ疼痛の軽減が認められます。疼痛は主に関節可動域の最終域のみになる場合が多いようです。この時期のポイントは、関節可動域制限が全方向で残存し、特に外旋で強く認められる傾向がある点です。可動域の改善を図る必要があります。疼痛が軽減しているため、凍結進行期とは異なり、積極的な伸張を行っていきます。

寛解期(Thawing phase):12~48か月

英語が苦手なので読めませんでしたが、調べたところゾーイングとよみ、溶けるという意味のようです。この時期になると関節可動域も改善してきます。

 

 

考察

肩関節周囲炎では、病気ごとに対応が異なるわけですが、病気の進行についてはかなり長期に及ぶことが想定されます。理学療法については実施できる期間として考えると凍結進行期がメインであり、凍結完成期が対象に入ってきて終了になることが多いでしょうか。そう考えると、その後寛解期までの間改善の見込みを残していることを考え、自主練習やセルフケアでの指導をしっかり行いデイリーコントロールをおこなっていくことも考えなければならないなと思いました。

 

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肩関節周囲炎の症状とリスク因子

こんばんは。

昨日は当院で行っている勉強会(分科会)でBiNIアプローチの末梢神経性疼痛と腰痛の介入について実技中心の講義を行いました。やはり健常者に対して十分に効果を出せるものだなと実感できました。さて、本日は認定理学療法士試験勉強の続きです。

 

 

①肩関節周囲炎の症状

主に3つあります。

(1)疼痛

運動時痛と夜間時痛を主に認め、重症例では安静時痛が生じることもあります。

安静時痛の場合は、肢位によって変化するかを評価する必要があり、安楽肢位をみつけ、ポジショニングを検討することも理学療法士としては重要です。QOLと疼痛は強く関係してきますので、なるべく疼痛なく過ごせるように考えるとよいと考えます。

夜間時痛については、何時ごろ出現するのか?また、痛みで目覚めたときはどんな姿勢かについて問診することが重要です。痛みの誘発が特定の肢位によるものであれば、やはり寝ているときの姿勢を考え、ポジションイングを実施することができます。

運動時痛については、どのような姿勢で誘発されているか、どの程度運動範囲で疼痛が誘発されるかを評価することが必要です。本人に疼痛が誘発される動作を知ってもらい、なるべく疼痛なく生活できるようにしてもらうことに加え、理学療法士から疼痛なく生活するための動作指導を実施することも可能です。また、リハビリ中においても疼痛範囲を把握し、基本的には疼痛を誘発せずに関節可動域練習を実施できるように配慮して行うことにも必要な評価となります。

(2)関節可動域制限

炎症の痛みによる制限が主になるため、全方向において制限が生じることが特徴です。そのまま拘縮する可能性もあるため、初期から愛護的にROM練習を進めていくことも重要になります。

病期によって異なりますので、後日病気ごとに整理したいと思います。

(3)筋力低下は伴わない

肩関節周囲炎の場合、それによる筋力低下は基本的には起こりません。しかし、二次的に不動機関が生じたりすると廃用性に筋力が低下することは十分考えられます。

 

②リスク因子について

肩関節周囲炎には理学療法の診療ガイドラインがあります。

それによると、推奨グレードBで糖尿病、肩関節術後、甲状腺疾患、高脂血症、職業(デスクワーク)があげられております。特に糖尿病については2型糖尿病よりも1型糖尿病(以前はIDDM:インスリン依存型糖尿病とよばれていた)に多いとされています。

推奨グレードCでは、心臓手術、心臓カテーテルパーキンソン病クモ膜下出血があげられています。

 

考察

肩関節周囲炎では、疼痛管理としてポジショニングや生活指導が重要です。また、全方向の可動域制限と疼痛により拘縮を予防しつつ、愛護的に介入していくことがポイントになります。その介入内容に関しては、病期が重要になりますので、次回は病期についての記事を書いて整理していきたいと思います。

 

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腱板断裂の術後のリハビリ方針はどうすればよいか

お風呂カフェの中にあるお店で親子丼を食べました!!健康的な食事がそろっている印象です。

 

 

こんばんは。本日は勉強デーということで一日勉強しています。

最近寒い日が続いていた影響で、給湯器の配管が凍ってしまったので、昨日はお風呂に入れず、今日もまだ凍っているので、またお風呂カフェいって勉強することにしました。とりあえず、凍らないように対策として、お湯の電源は切ったうえで、わずかに水を出しておくとよいということなので、今後は寒い時に実践しようと思います。

 

計画を再確認し、認定理学療法士試験やBiNIアシスタント試験の対策を進めていきます。

認定指定研修の内容が意外と難しく、不慣れな内容が多いのである程度勉強時間が必要かなと思います。指定研修を落とすと、両方の試験が自動的に落ちてしまいますので、重要性が高いです。

 

本日は腱板断裂の術後のリハビリについてです。

①術部の保護についての考え方

棘上筋が強固に結合するのは約4か月後であり、6か月以内は再断裂率が高いといわれています。そのため、棘上筋への負荷については注意して行う必要があります。主治医と相談し、どの程度の負荷で進めていけばよいかを検討し、再断裂を予防しながら進めていく必要があると考えます。

②自動運動・筋力増強について

徐々に進めていくことが進められます。保存療法よりも筋力向上効果を得られるため、徐々に断裂しないように気を配りながら進めていくことが必要です。

③拘縮をできるだけ予防し、患部外の機能維持・改善を図る

烏口上腕靭帯や関節包の拘縮を極力予防しつつ、インピンジメントなどが起こりにくいように関節可動域運動や周辺の結合組織の運動性を改善していくことが重要になります。

 

まとめ

認定必須研修会の資料にはそこまで詳しいことが書いていなかったので、上記の内容については、もう少し知識を蓄えていく必要があると感じました。上記を大まかな方針として考え、実際の臨床ではもう少し勉強して挑む必要があると感じました。

 

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腱板損傷の保存療法ではどのようにリハビリを進めるべきか

バウムクーヘンをかっこよく切ってみました。

 

 

こんばんは。本日は、ジムに行ってマシントレーニングを行ってきました。上半身中心に行い、明日は筋肉痛ですね。握力が弱いので、全身の筋力向上を図って、日々筋トレしていこうと思います。理学療法士としては、あまり筋力が弱いといけないかなと思いますので、肉体面でも理想的な理学療法士を目指します。

 

さて、本日は腱板損傷の続きです。

①保存療法について

(1)基本的には自然修復は期待できない。

ただし、10~20%程度のケースで断裂が縮小・消失するケースもいるようですが、確率的にかなり限られてくるため、改善は難しいと考えられます。

(2)無症候性と有症候性がある

40歳以上の健常者の34%は無症候性であるといわれています。損傷していると必ず疼痛があるというわけではないことがわかります。また、保存療法における有症候性腱板断裂者の49%は疼痛が消失、39%で投薬不要まで改善しているとされています。そのため、保存療法による効果としては疼痛の軽減を認めるケースが多いことがわかっています。

(3)筋力回復はあまり期待できない

損傷が修復せず、疼痛の軽減を認めているので、筋力は疼痛のなくなった分は発揮しやすくなるかもしれませんが、損傷が残っているので筋力の改善は図りにくいことが想定されます。そのため、手術療法の方が筋力向上の効果は期待できます。

(4)治療方針

基本的に損傷は残存しているため、腱板への物理的刺激の軽減が重要になります。そのため、肩峰下インピンジメントを防ぐため、外旋運動の獲得を目指し、まずは下垂位での外旋運動を行うことでインピンジメントされずに運動を行うことになります。また、表面の大きい筋肉が働きにくいように抑制した肢位で、腱板筋の運動を行うことが重要になります。関節内インピンジメントの対策としては、他の部位によって代償させるようにすることが重要なようです。また、拘縮があれば優先的に治療を行い、棘上筋の選択的な運動は避けることが重要になります。

 

考察

腱板損傷の保存療法では、腱板筋の自然修復はほとんど起こらないものとして、損傷部位に物理的な負荷がかからないように、他の部位での代償や動作方法を指導することも重要だと感じました。また、拘縮や他の部位の問題については介入可能になりますので、そちらに対しては積極的に改善を図りたいところです。インピンジメント予防の介入は行い、損傷部の選択的な運動は行わないところがポイントになります。

 

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腱板断裂の疼痛の原因について

こんばんは。今日で3連勤終了しました。お疲れ様です。

最近生活習慣が乱れてしまい、一度寝てから起きて勉強するパターンになってしまい、疲れがあまりとれないですね。今日明日はゆっくりして回復したいですね。

 

今日は、腱板断裂の痛みの原因についてです。

主に以下の4つになります。

①断裂部周囲の炎症

②断裂部、肩峰下滑液包の圧迫、癒着

③断裂部・癒着部の伸張

④滑膜炎を伴う関節包の伸張

 

上記の4つについて考察をしていきます。

①断裂部周囲の炎症

断裂により腱板筋が働かない影響により、他の部位に対しても負担がかかり、過剰な負担が他の部位に炎症を引き起こすことが考えられます。腱板周囲の損傷しやすい部位としては、腱板、上腕二頭筋腱長頭、腱板疎部、肩鎖関節などがあります。これらに対しては圧痛などにより評価をし、疼痛の問題点が腱板以外の結合組織にあるかどうか評価していくとよいと思いました。

②断裂部、肩峰下滑液包の圧迫、癒着

断裂した腱板により、上腕骨を関節窩のなかで滑らせることができず、三角筋などの筋により転がりのみが起こると関節内インピンジメントとして関節唇と上腕骨頭の間に腱板筋が挟まれ疼痛を引き起こしたり、滑液包と上腕骨頭の間に腱板が挟まれ、肩峰下インピンジメントが起こることがあります。癒着などが起こるとより正常な副運動が阻害されることが考えられます。

③断裂部・癒着部の伸張

断裂部に伸張刺激が加わる場合として、肩関節のアライメントが伸展位、内転肢位を取っている場合は腱板筋が伸張されることがあります。また、断裂筋の収縮が断裂部へ張力を与え、疼痛となる場合があります。

④滑膜炎を伴う関節包の伸張

 関節包を2層に分けた場合、内側を滑膜、外側を線維膜といいますが、滑膜は痛覚神経が豊富です。そのため、滑膜は関節の変性や摩耗により滑膜炎が起こりやすく、疼痛の伝達物質も他の部位よりも多い傾向があります。滑膜炎が起きている場合、疼痛の閾値も低下している可能性が高く、関節包の伸張による痛みも起こしやすいのではないかと考えられます。

 

考察

腱板断裂の疼痛の原因は受傷部位のみにあらず、それにより生じた正常な関節運動の破綻により他部位に影響を与えることにより引き起こされる疼痛が多くあります。そのため、何により疼痛が生じているかについて、上記の原因を参考に評価していけるとよいのではないかと思ます。

 

 

肩腱板断裂の基礎知識

こんばんは。最近帰ってきて一回寝てしまってから勉強になるパターンが定着してしまって困っています。今日もごはん食べたらものすごい睡魔に襲われ、気づいたら一度4時間程度寝てしまいました。しかし、その後元気にはなります。

 

認定必須研修の肩の腱板断裂についての基礎情報を整理して行きたいと思います。

 

①腱板断裂の疫学

腱板断裂は肩を安定化させる役割を持つ筋である腱板が一部、もしくはすべてが断裂した状態です。

40歳以上の男性に好発し、60歳代がピークとなります。男女比は男性62%、女性38%といわれています。

男性の右肩に発症しやすいことから肩の使い過ぎが原因となっていることが推測されています。

 

②腱板断裂の症状の特徴

疼痛については、特に夜間時痛が著明であり、痛みで寝れない場合があり、病院に受診するケースも多いようです。また、運動時痛では、とくに肩をひねる動作にて疼痛が誘発されやすいのが特徴です。腱板筋は内外旋にて伸張される筋で構成さえれていることも影響します。疼痛が強いケースでは安静時痛も認める場合があります。

 

次に筋力低下を認めます。腱板筋が損傷しているため、当然損傷した筋の筋張力は低下し、出力がでなくなります。特に棘上筋が損傷するため、肩関節外転の筋力低下が起こりやすいです。断裂の程度により内外旋の筋力へも影響し、偽性麻痺となる場合もあります。

 

そして、拘縮を認めます。特に烏口上腕靭帯や関節包の拘縮、肩峰下滑液包(SAB)の癒着痛みによる偽拘縮を認めます。

これらは肩関節挙上時にSABや腱板が肩峰と上腕骨頭に挟まれて、肩峰下インピンジメントが生じることがあります。これにより可動域制限と疼痛が生じます。ペインアークといい、60度から120度の範囲で疼痛を誘発することが多いです。

水平外転や外転外旋で生じる関節内インピンジメント(インターナルインピンジメント)では、腱板が上腕骨頭と関節唇に挟まれることで生じます。その原因としては肩甲骨と上腕骨の複合運動に異常が生じることにあります。特に、肩甲骨側の運動が減少したり、逆方向へ運動することが全員になりやすいため、肩甲骨の動きをトラッキングし、運動方向やタイミングを触診・評価することで改善が必要な運動を探していくとよいのではいないかと思います。

 

考察

本日は、肩の腱板損傷について基本的な点について整理しました。当院において上肢疾患はOTへ処方される傾向が多いので担当する機会が少ないですが、介入することがありますので、しっかり腱板損傷の知識を身に着けておきたいところです。

 

 

 

EBPTとクリニカルリーズニングの考察

こんばんは。途中で寝てしまい、目が覚めました。生活のリズムがやや不安定です。

22日の午後より大雪となりましたが、現在は降っていないようです。しかし、少し凍ってきそうで、朝もかなり冷えるらしいです。

雪道を歩くときは、リュックを背負って、手袋を装着し、転倒してもけがをしにくい装備にしておくとよいようです。また、フラット着地で歩幅を狭くして歩くことを心掛けると安全です。

 

さて、遅い時間なのでさっそく本題へ!

本日は、EBPTとクリニカルリーズニングについてです。

①一見相反している?

EBPTというと、文献検索をして、根拠に基づく介入をしていくことがまず第一に浮かんできます。そして、クリニカルリーズニングは臨床推論ともいわれ、臨床で評価~治療までの介入を考察していくようなイメージで行われているので、両者は一見相反しているような、印象をもっていました。しかし、理学療法士協会は両方推奨しており、両者は共存可能なものであることがわかりました。

②EBPTついて再確認

EBPTについては過去の記事もご参照ください。(この日もすぐ寝てしまっている)

ptthinking.hatenablog.com

EBPTとは臨床の行動指針であり、ただ単に文献検索して外的なエビデンスに基づいて臨床を進めるわけではありません。これは、間違った認識です。

EBPTを進めるうえで、外的エビデンスを考えることは重要ですが、これは集団の平均値であり、注意すべきは目の前の患者様に適応しているのかをしっかり判断することになります。また、外的エビデンスを適応するうえで重要になるのが、セラピストのスキル、リハビリを行う環境(施設の設備)、患者様の考え方・キャラクターなどになります。セラピストのスキルがないのであれば、徒手的な介入に関する効果は不十分になり、外的エビデンスで示された効果を発揮できない可能性があります。エビデンスで示された方法通りに実施できない可能性があります。リハはビリを行う環境については、当然外的エビデンスで示された器機や道具がなければ実施できません。この場合、外的エビデンスを検索する際に、今の環境で行えるものの中から、最適なものを実施するようにするような考え方でよいとされています。患者様の考え方にあっているかも重要であり、本人の過去の経験により、よいもの、わるいものがある場合があるので、悪いと思っているものを無理に進めていくことはナンセンスです。患者様の合併症などにより外的エビデンスに当てはまらない可能性もあるため、注意が必要です。

EBPTは、簡単にいえば、その場、その状況により最適な理学療法を実施するための行動指針であるため、外的エビデンスを根拠とし、評価を基に当てはまっている外的エビデンスを活用していくことになります。そのため、PICOなどの活用が推奨されています。そして、もう一つ重要なのは外的エビデンスは、理論・基礎研究・動物研究では不十分である点です。患者様を対象として効果を示している文献に当たることです。

③クリニカルリーズニングの再確認

クリニカルリーズニングは臨床推論のことであり、ある程度臨床のフロー(流れ)を示してあり、それに沿って実施することで臨床で必要なことが漏れないようにしめされているものもあります。徒手療法などの勉強会では特に重要視されているような印象があります。

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↑これは、Jonesの共同的推論モデル

このモデルでもわかるように、リーズニングでは、初回評価や情報収集などの結果から統合的に考え仮説を構築し、問題となる部位を明確にし、介入し、その効果について吟味し、治療内容について検討していく過程を繰り返して行います。PDCAサイクルなども話に上がることがよくあります。それに加え、患者様側についても考察し、患者様が自身の疾患についてどう考えているか、どのように治療することがよいと考えているかなどを考察することで、自主練習やセルフケア、臨床の内容などを考慮する必要があります。しっかり評価することにより、その内容を検討することで効果をあげていくことが可能だと思われます。

クリニカルリーズニングを要素に分けると7つあるといわれています。

診断学的リーズニング

病態生物学的メカニズムの把握、医学的原因の分析など一般的に重要視されている印象があります。膝の疼痛だけでなく、評価結果からどの組織によるものか?疼痛が関節内か関節外からくるものか?などを考察することです。

②双方的・共同的リーズニング

患者との信頼関係に基づく共同意思決定。理学療法は人を相手にするため、相手側の要素がかならず影響します。これはEBPTとクリニカルリーズニングの共通点でもあります。患者様とゴールを共有し、寄り添いながら行う介入がよいのではないでしょうか。

③語りによるリーズニング

患者の心理的側面(過去の経験等)、個人の経験を理解すること。①との併合により効果的治療な治療が行えるとされています。②に近いところもありますが、③は患者様側の怪我や病気についての考え方を整理しておくことの重要性をしめしています。

④予測的リーズニング

予後予測的要素について考察します。評価や外的エビデンスの活用により、ある程度これができると改善の見込みがあることや改善の見込みが少ない場合は、高齢であったり認知症が高度であったりすることがわかります。どのように予測すべきかはその状況により異なり、自身の持っている指標を構築しておくことが必要だと思われます。

⑤教育的リーズニング

患者の理解力、マネジメント能力を把握、行動変容の推進について。自己管理がどのくらいできるか?自主練習を行えるか?自主練習の難易度は?提示されたものをその通りに実施できるのか?自己流になりやすいのか?などを推測します。

⑥倫理的リーズニング

医療倫理についてどのような考えをもっているのか。

⑦現実的リーズニング

対象者の社会的状況や環境を考慮したうえで、取り除かなければいけない要素を判断し、現実的な介入をおこなうことが必要。

 

これら7つの要素がリーズニングで考慮すべき点とされています。

クリニカルリーズニングは、臨床での思考面がどうあるべきかを示しているのではないかと思います。

④EBPTとクリニカルリーズニングをどう解釈するか。

EBPTは行動指針、クリニカルリーズニングは臨床思考であると考えます。

つまり、臨床を進めるうえでは、クリニカルリーズニングで示されているフローなどを活用し、情報収集、評価などから、問題点を抽出します。この際にどのような評価を活用するかについては診療ガイドラインなどを参考にえらぶことでEBPTの実践になると思います。また、問題点から治療を選択する際に、問題となる原因組織を抽出することが診断学的リーズニングであり、その具体的なアプローチとして対象者に対して、最善な介入について検討することがEBPTの実践なわけです。

ベースはクリニカルリーズニングの考え方で臨床をすすめ、ところどころで適切な評価の選択、適切な治療の選択を考える際に、セラピストのスキル、リハビリ環境、患者様側の要素を考慮した上での外的エビデンスの活用をしていくことでEBPTの実施が可能です。

こう考えると、クリニカルリーズニングを実施しながら、EBPTを実践することは可能であり、両者をしっかり行うことで質の高い理学療法の実践が可能であるといえます。といいますか、これこそが理学療法の真の姿ではないかと思います。

 

以上でEBPTとクリニカルリーズニングの考察を終了します。文章が長くなりましたが、整理できたのではないでしょうか。あとは、実践あるのみといったところでしょうか。頑張ります。

 

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情報収集についての自己分析と考察(一般ニュース編)

こんにちは。本日は休みで高崎オーパのカフェにて勉強しております。ずっと勉強していると飽きてきますので、休憩がてら記事を書こうと思いました。

 

ネットを見ながら、情報収集について考えてみました。

私の場合は、テレビを見る頻度は少なく、新聞は取っておらず、情報収集の中心はスマホでのLINEニュースとSmart newsが中心になります。後は、フェイスブックツイッターで時々記事を診たりする程度です。

テレビを見ていると動画なのでわかりやすく記憶に残りやすいメリットがありますが、情報収集にやや時間がかかるのと好きなものを選んでみるわけではなく、主なものが自動的に流れるようなものです。つまり、ある意味効率的に重要な情報を集められるが、ある意味個人としてはいらない情報であった場合非効率になることもあるかもしれません。ただ、一般的に重要であり、世間的に把握しておくべきことであり、何より見ている人が多いという最大のメリットがあるので、テレビのニュースはなるべく見た方がよいのかなと思いました。

新聞は有料であり、ごみも出てしまい、読む時間を確保しないといけないので少し敷居が高い印象です。そうなるとネット情報の方がメリットがあります。

ネットでは記事と動画があります。特に動画は、私のパソコンで日テレNEWS24というテレビのニュースを記事ごとに切り取って部分的に見ることができるものを見ることができます。これは、テレビのニュースから好きなものを診れるので効率的です。これは一番いいなと思いました。もちろん同じところからニュース記事も見れます。

記事の方は、smart newsを使っていますが、よりクオリティの高いニュースをみるためには、ウォールストリートジャーナルや日経ビジネスなどのオンライン版があります。なかなか、とっつきにくく、サイトを見てみたものの、面白くなさそうな印象があったので、有料版をやろうとはまだ思えませんでした。無料版のものもあったので、いろいろ見ていたらプレジデントオンラインというものがあり、自己啓発的な内容と、仕事や勉強などの記事が多く、スキルアップに役立つ情報が多く掲載されており面白そうだったので無料会員登録をしてみました。

 

まとめ

最近私の職場でも情報収集能力の重要性について(特に主任)からお話を伺うことが多いので、私の情報収集はどこから行っているのかを振り返ってみました。

そこで、今回情報の質を高めるために①プレジデントオンラインの導入(無料)と、②PCのニュースアプリから日テレnews24と記事を見る機会を作ることをまずはやっていこうと思いました。家ではあまりスマホを使わないでPCを中心に使っていこうと思います。医療系の情報収集についても機会があれば考えて記事にしていきたいと思います。

 

 

変形性膝関節症と前十字靭帯(ACL)の関係

こんばんは。今日で5連勤終了しくつろいでおります。

明日からの休みは認定理学療法士試験(運動器)の必須研修会の内容の勉強(パワーポイントへの落とし込み)を終わりにしようと考えています。しかし、いっぱい勉強しようと欲張って時間を取りすぎると案外集中できず、効率が悪くなる傾向にあるので、なるべく集中して短時間で終わらせることを心がけようと思います。

 

さてさて、本日は変形性膝関節症(以下、膝OA)とACLの関係です。

 

①膝OAの進行とACLの変化

必須研修会の資料より

・膝OAの進行によりACLの組織変化を認める

・膝OAの進行によりACL直径は減少する(細くなる)

とあります。

ACLは脛骨の前方引き出しを止めるため、ACLが硬ければ、脛骨は前方に出にくくなります。

膝OAの進行により顆間窩に骨棘が形成される原因として、脛骨の前方移動が増加する(軽度の膝OAで前後方向の関節動揺性が増加している)ことで、ACLと顆間窩との接触が起こることが影響している可能性も考えられるようです。

ACL損傷による影響

ACLが損傷すると膝関節屈曲時の大腿骨顆部の滑り運動が生じず、転がりのみが起こることで、半月板への影響が増加します。

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考察

ACLは顆間窩にありますが、膝関節の前後動揺へ影響を与えており、その伸張性や硬度の変化により、膝関節の正常な関節運動が阻害される場合があるようです。膝OAも進行すると骨棘によりACLが一部断裂したり、顆間部が閉鎖し、ACLが消失することがあるようです。つまり、膝OAだからACLのことは考えなくてもよいわけではなく、例えば、X線画像を見て顆間部に骨棘を認める場合は、臨床で前方引き出しテストを行い、脛骨の前後方向の動揺性を評価することで、ACLがある程度損傷しているかどうかを評価することもできそうです。(確定診断にはならない)

今回、ACLと膝OAの関係性としては、膝OAの進行にACLの影響があるといえ、膝OAが重度の場合、ACLが損傷したり、消失する場合があるということがわかりました。

今後、ACLの視点を持ち膝OAの臨床へ挑んでみようと思います。

 

ランキング参加中です!全体のランキングでは約120万中2万位くらいです笑


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