理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

腱板損傷の保存療法ではどのようにリハビリを進めるべきか

バウムクーヘンをかっこよく切ってみました。

 

 

こんばんは。本日は、ジムに行ってマシントレーニングを行ってきました。上半身中心に行い、明日は筋肉痛ですね。握力が弱いので、全身の筋力向上を図って、日々筋トレしていこうと思います。理学療法士としては、あまり筋力が弱いといけないかなと思いますので、肉体面でも理想的な理学療法士を目指します。

 

さて、本日は腱板損傷の続きです。

①保存療法について

(1)基本的には自然修復は期待できない。

ただし、10~20%程度のケースで断裂が縮小・消失するケースもいるようですが、確率的にかなり限られてくるため、改善は難しいと考えられます。

(2)無症候性と有症候性がある

40歳以上の健常者の34%は無症候性であるといわれています。損傷していると必ず疼痛があるというわけではないことがわかります。また、保存療法における有症候性腱板断裂者の49%は疼痛が消失、39%で投薬不要まで改善しているとされています。そのため、保存療法による効果としては疼痛の軽減を認めるケースが多いことがわかっています。

(3)筋力回復はあまり期待できない

損傷が修復せず、疼痛の軽減を認めているので、筋力は疼痛のなくなった分は発揮しやすくなるかもしれませんが、損傷が残っているので筋力の改善は図りにくいことが想定されます。そのため、手術療法の方が筋力向上の効果は期待できます。

(4)治療方針

基本的に損傷は残存しているため、腱板への物理的刺激の軽減が重要になります。そのため、肩峰下インピンジメントを防ぐため、外旋運動の獲得を目指し、まずは下垂位での外旋運動を行うことでインピンジメントされずに運動を行うことになります。また、表面の大きい筋肉が働きにくいように抑制した肢位で、腱板筋の運動を行うことが重要になります。関節内インピンジメントの対策としては、他の部位によって代償させるようにすることが重要なようです。また、拘縮があれば優先的に治療を行い、棘上筋の選択的な運動は避けることが重要になります。

 

考察

腱板損傷の保存療法では、腱板筋の自然修復はほとんど起こらないものとして、損傷部位に物理的な負荷がかからないように、他の部位での代償や動作方法を指導することも重要だと感じました。また、拘縮や他の部位の問題については介入可能になりますので、そちらに対しては積極的に改善を図りたいところです。インピンジメント予防の介入は行い、損傷部の選択的な運動は行わないところがポイントになります。

 

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