理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

腱板断裂の疼痛の原因について

こんばんは。今日で3連勤終了しました。お疲れ様です。

最近生活習慣が乱れてしまい、一度寝てから起きて勉強するパターンになってしまい、疲れがあまりとれないですね。今日明日はゆっくりして回復したいですね。

 

今日は、腱板断裂の痛みの原因についてです。

主に以下の4つになります。

①断裂部周囲の炎症

②断裂部、肩峰下滑液包の圧迫、癒着

③断裂部・癒着部の伸張

④滑膜炎を伴う関節包の伸張

 

上記の4つについて考察をしていきます。

①断裂部周囲の炎症

断裂により腱板筋が働かない影響により、他の部位に対しても負担がかかり、過剰な負担が他の部位に炎症を引き起こすことが考えられます。腱板周囲の損傷しやすい部位としては、腱板、上腕二頭筋腱長頭、腱板疎部、肩鎖関節などがあります。これらに対しては圧痛などにより評価をし、疼痛の問題点が腱板以外の結合組織にあるかどうか評価していくとよいと思いました。

②断裂部、肩峰下滑液包の圧迫、癒着

断裂した腱板により、上腕骨を関節窩のなかで滑らせることができず、三角筋などの筋により転がりのみが起こると関節内インピンジメントとして関節唇と上腕骨頭の間に腱板筋が挟まれ疼痛を引き起こしたり、滑液包と上腕骨頭の間に腱板が挟まれ、肩峰下インピンジメントが起こることがあります。癒着などが起こるとより正常な副運動が阻害されることが考えられます。

③断裂部・癒着部の伸張

断裂部に伸張刺激が加わる場合として、肩関節のアライメントが伸展位、内転肢位を取っている場合は腱板筋が伸張されることがあります。また、断裂筋の収縮が断裂部へ張力を与え、疼痛となる場合があります。

④滑膜炎を伴う関節包の伸張

 関節包を2層に分けた場合、内側を滑膜、外側を線維膜といいますが、滑膜は痛覚神経が豊富です。そのため、滑膜は関節の変性や摩耗により滑膜炎が起こりやすく、疼痛の伝達物質も他の部位よりも多い傾向があります。滑膜炎が起きている場合、疼痛の閾値も低下している可能性が高く、関節包の伸張による痛みも起こしやすいのではないかと考えられます。

 

考察

腱板断裂の疼痛の原因は受傷部位のみにあらず、それにより生じた正常な関節運動の破綻により他部位に影響を与えることにより引き起こされる疼痛が多くあります。そのため、何により疼痛が生じているかについて、上記の原因を参考に評価していけるとよいのではないかと思ます。