理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

肩腱板断裂の基礎知識

こんばんは。最近帰ってきて一回寝てしまってから勉強になるパターンが定着してしまって困っています。今日もごはん食べたらものすごい睡魔に襲われ、気づいたら一度4時間程度寝てしまいました。しかし、その後元気にはなります。

 

認定必須研修の肩の腱板断裂についての基礎情報を整理して行きたいと思います。

 

①腱板断裂の疫学

腱板断裂は肩を安定化させる役割を持つ筋である腱板が一部、もしくはすべてが断裂した状態です。

40歳以上の男性に好発し、60歳代がピークとなります。男女比は男性62%、女性38%といわれています。

男性の右肩に発症しやすいことから肩の使い過ぎが原因となっていることが推測されています。

 

②腱板断裂の症状の特徴

疼痛については、特に夜間時痛が著明であり、痛みで寝れない場合があり、病院に受診するケースも多いようです。また、運動時痛では、とくに肩をひねる動作にて疼痛が誘発されやすいのが特徴です。腱板筋は内外旋にて伸張される筋で構成さえれていることも影響します。疼痛が強いケースでは安静時痛も認める場合があります。

 

次に筋力低下を認めます。腱板筋が損傷しているため、当然損傷した筋の筋張力は低下し、出力がでなくなります。特に棘上筋が損傷するため、肩関節外転の筋力低下が起こりやすいです。断裂の程度により内外旋の筋力へも影響し、偽性麻痺となる場合もあります。

 

そして、拘縮を認めます。特に烏口上腕靭帯や関節包の拘縮、肩峰下滑液包(SAB)の癒着痛みによる偽拘縮を認めます。

これらは肩関節挙上時にSABや腱板が肩峰と上腕骨頭に挟まれて、肩峰下インピンジメントが生じることがあります。これにより可動域制限と疼痛が生じます。ペインアークといい、60度から120度の範囲で疼痛を誘発することが多いです。

水平外転や外転外旋で生じる関節内インピンジメント(インターナルインピンジメント)では、腱板が上腕骨頭と関節唇に挟まれることで生じます。その原因としては肩甲骨と上腕骨の複合運動に異常が生じることにあります。特に、肩甲骨側の運動が減少したり、逆方向へ運動することが全員になりやすいため、肩甲骨の動きをトラッキングし、運動方向やタイミングを触診・評価することで改善が必要な運動を探していくとよいのではいないかと思います。

 

考察

本日は、肩の腱板損傷について基本的な点について整理しました。当院において上肢疾患はOTへ処方される傾向が多いので担当する機会が少ないですが、介入することがありますので、しっかり腱板損傷の知識を身に着けておきたいところです。