理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

身体支持部位と関節可動部位の概念(ポジショニングの仕方)

こんばんは。GWを終え、今日から仕事再開でしたが、最初から忙しく、残業してきました。新患がどんどん入ってくるため、対応に追われています。体制を立て直して、引き続き頑張っていくしかないですね。

 

さて、今日はポジショングの勉強の続きです。少しPPTにまとめ始めました。

本日は、そのまとめた内容から、ポジショニングを行う際のポイントの一つとして身体支持部位と関節可動部位の概念について考えを整理したいと思います。

 

ポジショニングとはそもそも、心地よく、リラックスできる姿勢であり、しっかり休めるという点と、動きやすい点を両立することが重要です。

ポジショニングを行う際に、クッションをどこに入れるのかを考えると思いますが、身体のパーツをパーツごとに逃がしていくことがまず必要です。

例えば、円背のケースで考えると、枕の高さが低いと、上位胸椎~頸部が浮いてしまい、さらに頸部の伸展をともなう場合が考えられます。その際に、単純に枕を高くすることがありますが、これだけでは、枕に荷重はかからず、胸郭背面のベッドと接している部位に頭部と胸郭の重さを加算したものがかかります。つまり、胸郭背面には、局所圧がかかってしまいます。ここで、ポジショニングをするときは、上位胸椎の下にもクッションを置くことで、胸郭は胸郭の下のクッション、頭部は頭部の下のクッションへと分散させることが可能になるわけです。

 

隙間を埋めて、クッションを詰めればある程度体圧は分散されますが、それだけでは不十分になります。それは、関節可動部位について踏まえていないためです。

頸椎や腰椎、股関節、膝関節、足関節に関しては、可動性を持つ部位となっており、通常ベッドから浮いている部位です。この部位の下にクッションを入れ、身体の支持部位としてしまうと、関節の部分で身体を支えることになり、関節は可動性を失い、固定部位になってしまいます。そうすると、ポジショニングで目指すところの、動きやすい姿勢ではなくなってしまうわけですね。つまり、この関節可動部位は支持として使わず、あまり体重支持部位にならないように工夫していく必要があります。悪い例としては、背臥位で膝の屈曲拘縮がある場合は、ひざ下にクッションを入れますが、この時、代替後面と下腿後面を浮かし、ひざ関節下のみで支えるような状態でポジションをとると、膝関節は可動性を失い、固定部位となり、動きにくい姿位となってしまいます。なので、この場合は、大腿後面から、下腿後面まで連続的に支持できるようにクッションを入れるとよいと思います。そうすることで、膝関節の可動性を保つことができると思います。

 

このように、どの部位で支え、どの部位は可動性として保つのかを考えてポジショングすることの重要性について、学びました。

今まで自分の中にはなかった考え方ですが、BiNIの考え方とも合致する部分があり、一つの考え方として自分の中に残しておきたいと思います。