理学療法における戦略的アプローチと戦術的アプローチー理学療法の標準化に向けてー
理学療法において戦略的アプローチ、戦術的アプローチとは何か考えてみましたので今回はそれを記事にしたいと思います。理学療法関係の方の発言などを全く参考にしていない、独自の理論になりますので聞いたことのないようなことを書いていますのでご了承いただけると幸いです。また、何か意見を頂けると嬉しいところです。
戦略的アプローチとは?
「戦略とは、一般的に特定の目的を達成するために長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術、科学である」
(引用:Wikipedia)
理学療法においての戦略的アプローチとは、どういった計画で理学療法を進めていくかという計画的な部分に当たると思います。最短で退院させるためにはどうするか、今後の改善の予後予測を考えると短期ゴールはいつまでに何を達成するかなど、集めた情報から考察し、どういったリハビリを提供するかなどがここに当たると思います。
戦術的アプローチとは?
「戦術とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術である」
(引用:Wikipedia)
具体的なところが戦術に当たります。理学療法では、大まかにアプローチを選択するのは戦略(たとえば、筋力トレーニングを行う)で、戦術ではクアドセッティングを、本人に収縮を意識してもらいながら実施する。といったところになります。様々なアプローチに関する勉強会や技術的なところは戦術を学ぶことが多いと思います。
戦術的アプローチを積極的に進めてきた理学療法業界の現実
勉強会に行ってみると、戦術的な要素を学ぶことが多かったです。画像の診方、データの診方、実際の評価方法、治療方法、ボバースなどのコンセプトなども何かの問題に対する具体的なアプローチが多いです。それは、結果に直結するし、セラピストの技術によって改善は変わります。確実に重要です。しかし、モビライゼーションがうまい人とでも改善しきれない点もあります。戦術のうまい人と下手な人では、セラピストから見れば明らかに違いますが、他のよく知らない人から見ると、わからないこともあります。
戦略的アプローチの重要性
あまり戦略的なアプローチについて触れている勉強会はすくないかもしれません。しかし、おそらく今後増加していくと考えています。
理学療法を実施するにあたり、患者様の全体像を把握することから、ゴール立案やリスク管理、プラン立案を行い、意思決定をする必要があり、それをチーム医療の中で他職種へ発信していくことが求められます。そのためには、多くの情報の中から、必要の名情報を選択し、自ら行う検査から評価し、情報を集めることが必要です。
そういった集めた情報をもとに、計画し、どう介入していくかについて考えていくことが戦略的アプローチになります。ここで、不明点について把握することで必要な情報を外部から調達する(ガイドライン、エビデンス)作業がEBPTそのものです。
どういった計画で理学療法を行うかを決める戦略がずれてしまうと、当然結果に大きな影響が生じると考えられます。筋力向上が必要なのに歩行練習ばかりやっていると、立ち上がり動作で手支持が最後まで必要になったりします。こういう点については、もっともよい戦略を立てることが非常に重要であり、戦略なしに実績指数の向上として在院日数の短縮も難しいと考えられます。
まとめ:理学療法における標準化について
理学療法の標準化について、戦術的な点についてはさまざまなアプローチがあり、考え方が異なるため、非常に難しい現状があり、重要性が叫ばれる中明確な根拠をもって標準化を成功させることが非常に難しいです。結果を出しつつ標準化するためにはいろいろな問題が生じてしまいます。セラピスト本来の力を発揮できない可能性が高いと思います。
その反面、戦略的アプローチの標準化は、おそらく可能だと思っています。思考プロセスを共有化し、判断基準を共有、EBPTの導入などを含め、すべて情報さえ集めれば気上での思考プロセスによって行う部分が多いです。そう言った戦略を立てたうえで各セラピストが得意とする戦術を活用していくことで、よりよい理学療法が実施できると思います。
今後、戦略的アプローチ導入にあたり、いろいろ必要な情報を収集し、活動していこうと思います。