理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

APAの本質について(”運動のなりたちとは”を読んでの考察)

こんばんは!一日休み1日出勤が続いていましたが、明日からは2連勤1休みの予定になります。たまった業務をなんとか解消していきたいところです。

今日は休みだったので、午前中はゆっくりして午後は勉強して間に30分くらいローラー台を回して、お風呂入ってまた勉強してといった感じでした。花粉の影響が大きいので外出したくないということもあります。

さて本日も↓の内容から

 

APA settimngについての考えを整理したいと思います。この本にはいろいろな基礎が詰め込まれているため何度も読んでいます。

 

まず、APAとは先行随伴性姿勢調節というもので、不安定化において身体のバランスを予測的に先行しておこる筋活動です。例えばつま先立ちをする際に、通常下腿三頭筋が主動作筋として働きますが、その活動を起こす前に準備段階でAPAが起こり、腹横筋や前脛骨筋の収縮が起こります。このAPAが起こるフェイズと同じフェイズに起こっているのが、COPの初期移動になります。つま先立ちという課題において、COGをつま先側に移動させる必要がありますが、その前に、COPを踵から立ち上げる必要があります。静的な立位においては、COPとCOGは一致させるようなバランスのとり方をします。(正確にはいっちすることはないが)その状態からCOGをつま先側に移動させるには、COPを踵側から立ち上がるようなCOPとCOGを逸脱させるような動きが必要になります。この動きがAPAセッティングになります。

つまり、APAセッティングとは、COPの初期移動であり、COGとCOPを逸脱させる動きになるわけです。

また、APAは先行して姿勢を調整する仕組みであるがために、条件によっては働かなくなります。その条件とは以下の4つになります。

①非常に安定性が保たれている平行棒内両手支持などの条件

 (外部の固定されたバーを握ったりした堅固な姿勢)

 APAは予測的に起こりうる外乱に対して、起こるものであるため、安定が確保されていることにより、外乱は起こらないため、APAも働く必要がないというわけです。

②非常に不安定な環境で、COPとCOGを一致させるようなバランスのとり方が必要な場合(細い梁の上など、きわめて不安定な状態で運動した場合)

 APAはCOPとCOGを逸脱させるようなバランスのとり方の時にセッティングされますが、逆にCOPとCOGを一致させるようなバランスのとり方をすると、足趾の過剰な筋活動を誘発したり、身体を固定するような反応を生じ、背臥位側系優位

になることも影響することが予想できますが、こういった場合にAPAは減衰します。

③上肢の活動を伴わない静的座位

 車椅子上で安静座位などでは、常にCOPとCOGが一致状態になりやすいく、不活動になり、APAは減衰します。上肢活動や臀部の重心移動などが起こるように動的な座位になるとAPAの減衰を防げると思います。

④身体内部に過剰な筋活動や固定部位がある場合(身体内部において努力的過剰筋活動による固定部位がある場合)

 身体内部の固定部位があることにより、背臥位側系優位になりやすく、背外側系と腹内側系はお互いに拮抗するため、相対的に腹内側系が減衰します。腹内側系の減衰は、コアスタビリティ―の減衰、APAの減衰とリンクしているため、固定部位の存在はAPAの減衰につながります。BiNIアプローチでは固定部位への感覚入力により、腹内側系を活性化し、APAが起こりやすくなります。

 

考察

APAについては以上になります。介入では、COPとCOGを逸脱させるような感覚入力が重要になることがわかりますね。私たちは、徒手的にCOPを立ち上げるCOPオシレーションや揺らぎ、APAセッティングを行いながらの動作誘導をリハビリに導入しています。また、アクセスポイントといって触れるだけで腹内側系が活性化しやすくなるポイントがあるため、極力そういった場所を触りながら介入することで、一見他の人と同じ内容のリハビリでも効果を上げやすくなっていると思います。場合によっては、一見他の人とは全く違うリハビリになっていることも多いかもしれませんが笑

 

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