理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

EBPTについての考察:今後の理学療法士の在り方、目指すべきことは何か考えてみた

こんばんは。昨日は仕事が忙しく、疲れてしまい家ではすぐに寝てしまいましたので、ブログの更新ができませんでした。今日はその分頑張って勉強しました。

最近変形性膝関節症の記事を中心に上げているのですが、勉強の方がすこし進んでおり、現在はEBPT(evidence-based physical therapy)についての勉強を中心に行っています。

EBPTについて勉強していく中で、自分のやっている理学療法についてかんがえさせられるよう場面が多い気がしております。

今後の理学療法の進むべき道についてより科学的になり、根拠をもつことが重要なのでしょう。

本日は、エビデンスをどう活用していくべきかです。

 

①EBPTとは

よく、エビデンスに基づいてやっているか?それは、エビデンスあるの?などという話が、学生時代や実習の際にとびかったことがあります。実際、どのような根拠があってやっているのか?という視点は重要です。

勉強会や手技、テクニックなどを講習会で勉強してきます。そのテクニックにエビデンスはあるのか?エビデンスといわれると弱いけど、変わります!でよいのか?いろいろ疑問がわいてくることがあります。そもそも、なんで変わるかはわからないけどこうやると変わりますなどという、講習も過去にありました。

ある特定の理論に基づいて行うことで、体系的に勉強をしています。その理論は、何を根拠にしているのでしょう。仮説や生物学的研究であったりする可能性がります。

 

エビデンスについて考えるときさまざまな疑問が沸き上がります。ここで理学療法士協会の考えるEBPTの在り方についてまとめます。

(1)EBPTは理論・基礎研究・動物研究だけで得られた情報だけでは不十分

ここで強調しているのは、臨床指針として対象者が人間であり、同一の属性を持っているものを対象にしており、それについての効果を述べているものを情報として扱うべきであるということです。対象の異なる研究の情報を、別の条件を持った患者に応用するのではなく、できる限り、自分の目の前の患者さんと同じ状況の人を対象にした文献を選び、使用することが重要であるということになります。

(2)EBPTが規定するのは、その時点でもっとも信頼できるエビデンスを使えばよい

対象患者が複数の合併症を持っていたり、認知機能低下が著明であったり、意識レベルの低下を認めたり、不穏であったりする場合は、論文から得られたエビデンス(外的エビデンス)を参考にしてもその通りに行えばよいというわけにはいきませんね。臨床現場はケースバイケースです。医療者の臨床能力、研究によるエビデンス、患者自身の意向、リハビリ室にある機器や環境などにより、その場面における最適なリハビリテーションは異なると考えられます。(特に担当セラピストの臨床能力と患者側の意向や性格などの様々なパラメーター)そして、すべてのエビデンスを調べてから臨床に挑むわけでもありません。今持っている情報・状況の中で最適解を求めることが重要です。最悪、エビデンスレベル6の専門家個人の意見を使用する場面も、出てきますが、他に参考になる情報がなければそれでもEBPTを実践していることになると思います。EBPTは臨床を制限するものではありません。

 

2、EBPTをどう実践していくべきか

EBPTの重要性については学生時代から感じており、実習や自己学習のなかでもなるべく、根拠を持たせるように考えてきました。しかし、臨床は頭でっかちではうまくいかないものです。まずは、実際に患者さんの疼痛をとれるか?身体機能を改善させる技術を身に着けることが重要だと思っていました。そのため、実技系の講習会に積極的に参加し、身体機能を改善させる方法や評価を学んできました。そして、ある程度即自的な改善を得られる方法を習得し、実践的に改善した経験を徐々に増やすことができています。しかし、EBPTの考えで言えば、まだ不十分であり、もっと医学的、科学的な根拠を持たせていくことが求められています。今までの技術は無駄になるわけではないと思います。ではどうするか?

担当患者さんを持つ

→臨床において疑問をもつ、不明点がある

→PICOに基づいて問題を定式化する

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→二次情報(エビデンスグレード1~2のシステマティックレビューやメタアナリシス、1つ以上のランダム化比較試験、ガイドラインなど)を中心に検索し、なければ一次情報(原著論文)を検索する

(→1次情報の場合は論文の批判的吟味を行う)

→論文と実際の患者さんへの適応がマッチングしているか確認

→実践

→結果を反省し次に活かす

 

詳しくは協会のホームページでもEBPTについて詳しく書いてあります。PICOの導入→論文検索の順をまずは実践することですかね。EBPT実践ワークシートなども文献を読んでいると見つかりますので、活用するとよさそうです。

やはり、良いものを勉強したら実践で活用することが一番重要だと思います。

いくら勉強しても臨床で使わなければ、物知りで終わります。それを忘れないようにしておきたいといつも思います。最終的にαモーターニューロンが発火しなければ筋収縮が行らないのと同じです。

 

 

考察

今回はEBPTについて勉強し考えたことを書きなぐりました。何が言いたいのかうまく伝わらないかもしれませんが、要は、もう少し介入前に考えることを増やした方がいいのかなということです。実際の臨床で行うことをプランニングし、計画的に理学療法を行うことが今後求められてくると思います。実際、自分が介入せず、プランニングだけを求めらえれる可能性すらあるのが、理学療法の未来であり、そのためには客観的な根拠があるのとないのとで、説得力が違います。別のセラピストとの差別化にもなります。そういった努力を惜しまず、実施していけるようにできる限り臨床に力を入れていきたいと思います。

 

 

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