理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

『脳卒中治療ガイドライン2015』のリハビリの推奨グレードAをすべて抑える

 

こんばんは。脳卒中治療ガイドライン2015も認定理学療法士試験(脳卒中)を受けるならば見ておいた方がよいとの情報がありましたので、購入して読んでいます。(昨年購入しました)

今は↑の画像リンクから2017年追補が購入できます。私はさすがに2015年のを持っているのでスルーします。

kindle版もあるため、読みやすいです。受験する方は読んだ方がよいと思いますが、私のブログでは要点(リハビリテーションの推奨グレードA)については押さえていきます。時間のない方はぜひ参考にしていただければと思います。

リハビリテーションにおける推奨グレードA

 急性期リハビリテーション

①不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から直接的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる。その内容には、早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などが含まれる。

脳卒中ユニット、脳卒中リハビリテーションユニットなどの組織化された場で、リハビリテーションチームによる集中的なリハビリテーションを行い、早期の退院に向けた積極的な指導を行うことが強く勧められる。

維持期リハビリテーション

①回復期リハビリテーション終了後mの慢性期脳卒中患者に対して、筋力、体力、歩行能力などを維持・向上させ、社会参加促進、QOLの改善を図ることが強く勧められる。そのために、訪問リハビリテーションや外来リハビリテーション、地域リハビリテーションについての適応を考慮するよう強く勧めれれる。

運動障害・ADLに対するリハビリテーション

脳卒中後遺症に対しては、機能障害および能力低下の回復を促進するために早期から、積極的にリハビリテーションを行うことが強く勧められる。

②発症後早期の患者では、より効果的な能力低下の回復を促すために、訓練量や頻度を増やすことが強く勧められる。

歩行障害に対するリハビリテーション

①歩行や歩行に関連する下肢訓練の量を多くすることは、歩行能力の改善のために強く勧められる。

上肢機能障害に対するリハビリテーション

①麻痺が軽度の患者に対しては、適応を選べば、非麻痺側上肢を抑制し、生活の中で麻痺側上肢を強制的に使用させる治療法が強く勧められる。

痙縮に対するリハビリテーション

片麻痺の痙縮に対して、チザニジン、バクロフェン、ジアゼパム、ダントロレンナトリウム、トルペリゾンの処方を考慮することが強く勧められる。

②上下肢の痙縮に対し、ボツリヌス療法が強く勧められる。

嚥下障害に対するリハビリテーション

脳卒中患者においては、嚥下障害が多く認められる。それに対し、嚥下機能のスクリーニング検査、さらには嚥下造影検査、内視鏡検査などを適切に行い、その結果をもとに、栄養摂取経路(経管・経口)や食形態を検討し、多職種で連携して包括的な介入を行うことが強く勧められる。

言語障害に対するリハビリテーション

①言語聴覚療法は行うことが強く勧められる。

体力低下に対するリハビリテーション

有酸素運動トレーニングもしくは有酸素運動と下肢筋力強化を組み合わせたトレーニングは、有酸素性能力、歩行能力、身体活動性、QOL、耐糖能を改善するので強く勧められる。

②麻痺側下肢の筋力トレーニングは、下肢筋力を増加させるので強く勧められる。

 

振り返り

意外と少ないですね。グレードB、C1が多い印象です。あと回復期リハビリテーションについてグレードAがないということは驚きでした。グレードBばかりです。

2009年のガイドラインから2015年のガイドラインに更新された変更点としては、

①急性期・回復期に関しては論文は増加したが、推奨グレードは上がらずであったが、維持期に関してはメタアナリシスも増え推奨グレードが高くなった点。

②主な障害・問題点に対するリハビリテーションについては全般的に論文数は増加し、特に上肢機能、歩行障害のリハビリテーションやボツリヌス療法、中枢性疼痛、嚥下障害、認知機能障害、体力、骨粗鬆症に関する論文が多数追加された点。

③個別の推奨項目では、麻痺側上肢の強制使用や肩関節亜脱臼への三角巾や肩関節装具の推奨グレードが高くなり、課題反復訓練が推奨に上がってきた。rTMSのエビデンスは上肢機能だけでなく嚥下障害、言語障害、認知機能障害の項目にも増加してきており、今後評価が高まっていくと想定される。ロボットリハはまだエビデンスが不十分。

 

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