理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

変形性膝関節症のX線画像の診方:Kellgren-Lawrence分類(K-L分類)

こんばんは。2連勤後の2連休という!うちの病院は休みが多いです。ただ、いろいろとやることができてきたので暇脱出中です。うれしいことです。

最近安定して勉強系の記事を上げているおかげか、ここ数日で読者になっていただいた方が急増しました。3人くらいだっのですが、この3日間で29日まで増えました。

このブログを見つけて、見ていただいているので、今までより、しっかりした記事が書けるように頑張りたいと思いました。

 

さて、本日は変形性膝関節症のX線画像の評価として有名なKellgren-Lawrence分類(以下、K-L分類)についてです。テーマが簡単ですが、K-L分類の考察をしていきます。

 

①K-L分類とは?

Kellgren-Lawrenceはシェルグレン-ローレンスと読むのが正しいようです。ケレグレンとか読んでしまいそうなので注意ですね笑

理学療法ガイドラインによるとK-L分類の評価は推奨グレードAとされており、変形性膝関節症のグレードとして多くの文献で用いられていると思います。

グレードは5段階であり0~4で評価されます。

 

②K-L分類のグレード

グレード0:正常

グレード1:関節裂隙狭小化なしでの軽度の骨棘出現または軟骨下骨硬化

グレード2:関節裂隙狭小化(25%以下)あるも骨変化なし

グレード3:関節裂隙狭小化(50~75%)と骨棘形成、骨硬化像あり

グレード4:関節裂隙狭小化(75%以上)で骨変化が著明

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左からグレード0、1、2、3,4の順で表示

 

上の画像に対する考察。(私の視点なので違うかもしれません)

グレード0:正常の膝関節

グレード1:変形性膝関節症疑いレベル。わずかに顆間窩や内外側の裂隙あたりに骨棘を認めるかどうかを診ますが、この場合顆間窩あたりにある可能性があるのでしょうか。

グレード2:軽度の変形性膝関節症。内側の裂隙に狭小化を認めます。画像では顆間窩、大腿骨外側顆のあたりが骨棘でしょうか。上では骨変化なしと書いてありますが、文献によっては微小な骨棘形成と書いてあるものもあります。

グレード3:中等度の変形性膝関節症。関節狭小化がわかりやすいですが75%かどうかはわかりにくいです。ただ、グレード3になるとよく知らない人でも、関節がつぶれているかどうかはわかるかもしれませんね。内側裂隙の狭小化部位の付近が著明に白くなっているので骨硬化像でしょうか。また、内側顆と顆間窩あたりに骨棘でしょうか。

グレード4:重度の変形性膝関節症。大腿骨と脛骨の両方で内外側部と顆間窩に骨棘が認められ、内側裂隙に明らかな関節狭小化を認めてます。ほとんど、くっついているように見えます。

 

臨床で画像を診るのは自分なので、自分の中で正しく見れる必要があります。何度も臨床で診ていくことで、どれが骨棘、どれが骨硬化像かがわかってくるのではないかと考えます。

 

③考察

K-L分類は変形性膝関節症の程度を評価し、ポイントは関節狭小化、骨棘、骨硬化像等の骨変化であることがわかりました。これらのポイントをX線画像で確認し、変形性膝関節症の病態を理解し、アライメントや疼痛の評価に綱が得られるとよいのかと思います。ただ、必ずしも変形=疼痛ではない点には注意が必要だと考えます。