理学療法士の思考

認定理学療法士などをはじめ、理学療法関連のテーマを中心に情報を発信しています。認定理学療法士(運動器)、協会指定管理者(上級)、地域包括ケア会議推進リーダーを取得しております。

変形性股関節症に伴う隣接関節障害①Coxitis knee(コクサイティスニー)

 

こんばんは。12月28日を突破し、今年も残すところあと3日ですね。

年末だからといって気を緩めず、むしろいつもより気合を入れて臨床に挑んできましたが、ここにきて、書類や管理業務系が増加!!

私は5連休を取っているので明日中にやらなければならないことが大量にあります。そして、最近早起きが苦手です。明日早くいってちょっと仕事を終わらしちゃいたいところですが、果たしてできるだろうか。いや、やるしかない!!

 

今日の勉強とブログ更新を早々に切り上げ、早く寝ようかなと思いますので、さっそく認定理学療法士試験勉強はじめましょう。本日は、Coxitis kneeについてです。

 

そもそもなんて読むのか調べるところから始まりました。勉強会の資料を見るとコキシティーズニーとふってありましたが、ネットで調べたところ、正しい発音はカクサイティズかコクサイティスでした。これは、変形性股関節症の股関節内反拘縮により、対側・同側の膝関節痛や変形性膝関節症が二次的に生じるものです。

その例として、有名なのは国家試験の勉強でもやったと思いますが、windswept deformity(風に吹かれた変形)というものがあります。これは、変形性股関節症により生じた股関節内反拘縮により、同側の膝関節は外反する方向へ、対側の膝関節は内反する方向へ力がかかることで、生じるものです。これが下のaになります。

ちなみに、私は内反・外反はその関節の遠位の骨が内側に行けば内反、外側に行けば外反という風に理解しております。

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上記の図のすべてがCoxitis kneeになるわけですが、いずれも変形性膝関節症により膝関節へ影響を与えています。どのように影響するかは、やはりメカニカルストレスが大きく影響しているようです。変形性股関節症により脚長差が生じ、受傷側の下肢が短くなることがあります。脚長差が少なければ骨盤の傾斜のみで代償可能ですが、それが不可能な場合は対側下肢の屈曲もしくは内外反により調整する必要が生じるわけですね。Coxitis kneeの概念を知っていると臨床でこのような変形になっている方を見かけたときに気づきます。おそらく変形性股関節症に関わらず、股関節の障害により内反拘縮が行っている方でも、起こりうると考えられます。場合によっては股関節近位端骨折の方でも起こる可能性は十分あるのではないかと思います。

メカニカルストレスが影響していることを考えると、こういった二次的な合併症を防ぐためには、理学療法士として何をすべきでしょうか。

まず、アライメント、脚長差についての評価をしっかり行うことは必要と考えます。これにより、脚長差をどのように代償するのかも評価しておく必要があります。代償方法が骨盤の傾斜であれば、腰部などへの影響がないかも評価する必要がありますね。また、脚長差を歩高靴により代償した場合の患者さんの反応や痛みなども評価する方がよいですかね。下肢の変形で代償してしまう場合は、おそらく必要です。

代償方法が骨盤であればまだいい方であり、下肢の変形であればCoxitis kneeになるリスクがあるといえると思います。これは、よくよく考えると学校で習ったような3cm以上は歩高靴の使用適応というただ暗記していたことの本当の意味なのかもしれないなと思いました。

 

考察

Coxitis kneeの概念は1974年ごろからあるようですが、臨床では今まで意識せずに行ってきました。今回の勉強によりCoxitis kneeの予防の重要性を再確認し、脚長差の評価をしっかり行う重要性を感じました。股関節と膝関節の関係性・運動連鎖的・メカニカルストレスのかかり方についてもいい勉強になったと思います。

 

さて、今日は早く寝て、明日こそ早く起きるぞ!!